長坂 栄一さん ひと雫に願いを(初山別村)

留萌管内の中部に位置する初山別村(しょさんべつむら)。
この小さな村に生まれた黄金色の味醂酒(みりんしゅ)「星の雫」。
夜空に煌めく星々に物語があるように、このひと雫が物語るのは。

しょさんべつ美醂屋が生み出した本みりんのお酒『星の雫・茜の雫』

しょさんべつ美醂屋が生み出した本みりんのお酒『星の雫・茜の雫』

思いを込めて育てた苗は長坂さんにとっても、村にとっても宝物だ

思いを込めて育てた苗は長坂さんにとっても、村にとっても宝物だ

えられ支えつつ
 長坂栄一さんは、もち米を生産する農家である。この地に長坂家が入植したのは明治の頃。富山県からの入植であった。栄一さんは四代目。父・一郎さんの急逝により、18歳で跡を継ぎ大黒柱となった。
 祖父と母に支えられ、先祖伝来の土地を守る身となったが、父に続くように頼りにしていた祖父も亡くなり、母と二人三脚で無我夢中で働いた。稲の生育が不順なときには、近所の農家に教えを請いながら、稲作の技術や知恵を身体に叩き込んだ。当時の農作業は田植えから収穫まで手作業であり、身体的には今より昔の方がきつかったと振り返る。

 数年後、徐々に田植え機やトラクター・コンバインなどの大型機械が導入されるようになり、農家の経営形態も様変わりした。体力面よりも、設備投資や維持にかかる資金面での気苦労が多くなった。これは新規就農者にとっても乗り越える壁のひとつとなっている。長坂さんは、新規就農者を支えたいと、積極的に相談にものっている。この地で新たな仲間となる人々の成功を願って。

の宝は人
 平成18年、長坂さんは本みりんを販売する合同会社しょさんべつ美醂屋を立ち上げた。販売商品は本味醂「のんでみりん」。仲間の圃場で育てた特別栽培のもち米を、昔ながらの製法により熟成させた、こだわりの酒だ。代表社員の長坂さんを含めメンバーは七人。皆、米作りのプロだが営業や販売は勝手が違う。商品を購入してもらう難しさに直面することも度々だ。慣れない分野に飛び込んだのは、五代目を継いだ息子の裕太郎さんや同世代の若者たちが暮らす、未来の村の姿が気にかかったからだ。「人がいないと全てがだめになる。村に人を呼び寄せたいんだよ」。自分たちの生産した米が人の縁を結ぶ。人こそが村の原動力と信じている。

自身が育てた稲を慈しむように手にする長坂さん。このもち米が『星の雫・茜の雫』として生まれ変わる。

自身が育てた稲を慈しむように手にする長坂さん。このもち米が『星の雫・茜の雫』として生まれ変わる。

 今年6月、村政施行百年を記念し、商品名を「星の雫」に改称。村の特産品ハスカップを原料に加えたリキュール「茜の雫」もお披露目した。黄金色と茜色に煌めく対の姿は縁起も良く、祝いの席やハレの日の酒として多くの人々に愛されるようにと願う長坂さんだ。

 星に願いを。ひと粒の米、ひと雫の「星の雫」に願いを込める人がこの村にいる。

プロフィール  長坂 栄一(ながさか えいいち)さん

昭和31年生まれ 初山別村出身
もち米生産農家
合同会社しょさんべつ美醂屋(みりんや)代表社員
HP http://business4.plala.or.jp/shosanbe/tokusanhin/mirin.html
初山別村HP内 特産品紹介ページ
HP http://www.ja-ororon.or.jp/  JAオロロン